かぐらむら

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今月の特集人間の裸の五感を研ぎ澄ましてみると神楽坂のまちは、どんな風に感じられるのだろうか?

五感で歩く神楽坂 - 匂い編

“こうばしい”

photo毎月5のつく日は「楽山」の店頭で焙じるお茶の香りが毘沙門様にたちこめる。神楽坂にはこうした大きな香りもあるけれど、時間や天候などによっては気づかないほど控えめな香りもある。

神楽小路の「紀の善」からは餡子の炊ける匂い、本田横丁の「鳥静」からは仄かな鶏を捌く匂い。それぞれの店先から香りがこぼれ、坂や小路と調和して、なんとも言えない風情に溶け込んでいる。先日仲通りを歩きながら、以前父が「神楽坂は“こうばしい”街だね」と言ったのを思い出した。

photo「“こうばしい”って漢字だと“香”と“芳”のどちらが神楽坂に合うかしら」と思いながら大久保通りに抜けると、目に飛び込んできた「いいだばし萬年堂」の看板ですぐに答えが出た。「いいだばし」の文字が「芳ばし」と読めたのだ。楽しい偶然で、変な思い込みによる結果が出たが、秋が近づくにつれ、神楽坂でもう一つの“香ばしい”に出遭える日は遠くない気がする。(土)