かぐらむら

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今月の特集人間の裸の五感を研ぎ澄ましてみると神楽坂のまちは、どんな風に感じられるのだろうか?

五感で歩く神楽坂 - 匂い編

恋の香り

photo私にとって神楽坂とは、音楽之友社の印刷(インク)と昔常備していたのど飴の匂いのする街というイメージだった。というのも初めて神楽坂を訪れたのが、中学時代に合唱曲集のレコーディングの為であったから。その時の歌詞「街を濡らす雨よ 声もない優しさがしみる」「会えば胸がときめいて会話もなぜかせつなくて」etc・・・やさしい水と初恋の香りが記憶に色濃く残る。

飯田橋で働くようになって5年経つ。神楽坂を歩くようになって、街に溶け込んだ生きた「和」にだんだんと感化されてくるようになった。粋筋の方がササッと街を通り過ぎる時のほのかな鬢と和服の香・・・。季節によってこまめにショウウィンドウが変わる履物屋さん、陶器屋さん、着物の古着屋さんなど前を通るだけで楽しい。折々の花の香が漂ってくるような美しい着物や帯の柄にはついつい足を停めてしまう。

photo神楽坂--街に溶け込んだ生きた「和」の香り、そして(流石にのど飴の香りは薄れてきたものの・・・)素敵な恋の香りと、しとしとと石畳を打つ雨音と雨の匂い・・・。(小)