かぐらむら

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今月の特集神楽坂から隣り町への散歩

猫も歩けば、春風にあたる

春に酔う 夜桜能への散歩道

Aルート(飯田橋から靖国神社へ)

photo今年も夜桜能の季節が近づいてきた。夜桜能は、800本もの桜が咲き誇る靖国神社境内でこの季節に演じられるものだ。今年は4月5・6・7日の3日間が予定されている。私は飯田橋勤務ということもあって、この辺りの土地勘も詳しいが、すぐに靖国へとは急がない。おいしいものをゆっくり味わうように、散歩や買い物を楽しみながら夜桜能へ向かう。お濠からの眺めは、パリのセーヌ左岸とくらべる人がいるけど、確かにこの季節はすばらしい。私の歩きはじめは飯田橋西口から始まる。まずは青森県のアンテナショップで旨い地酒や酒の肴を物色。そしてひば工房ではよい香りをかぎ、ひばの枡を入手。これらをぶらさげて大神宮にちょっとお参りし、途中、京の千代紙や絵葉書を買ったり…。フランス人が多い通りやレトロな店などを眺めながらの道のりは、なかなかおもしろい。靖国前の美味しい和菓子屋さんで手土産も買っていざ能楽堂へ!

少しも知らなかったのだが東京最古の木造能楽堂は、明治14年芝公園に建てられ、移築奉納されたもので趣があり、見事な夜桜に包まれた時の舞台は、何とも美しい。もともと能は、野外において自然の中で催されたものだった。咲き始め・満開・はらはらと散る桜…それぞれの桜の中で観る能のすばらしさ。闇の炎にゆらゆらと照らされる能面や装束、すり足によるゆったりとした特有の動きは実に幻想的である。そして腹から出る謡の声の響き、囃子の気魄、能管や太鼓は耳では聞き取れない高周波を多く含むα波らしい。桜と舞台の美しい姿態、囃子の響きなど余韻はいつまでも残り、今なお目を閉じるとあの幽玄の世界が広がってくる。さて、今年の桜はどうだろうか…(K)

イラストマップ上のポイントのお問い合わせ先
●ひば工房【TEL】03・5213・0151
●宝来屋【TEL】03・3261・4612