かぐらむら

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今月の特集自由、気ままな過ごし方

“神楽坂好み”の時間

号泣できる場所―キイトス・カフェ

◆み

photo「ぼんやりする贅沢」
神楽坂はひとりが心地よい町だ。本を読んだり、町ゆく人々を眺めたり、ぼんやりと考え事をしたり。そういう時間を過ごしていると、突然涙が溢れてくることがある。心のバリアがポロポロと剥がれていくのだろうか。誰にも邪魔されず、心の動くがままに過ごせる時間は、とっておきの贅沢だ。

「本に出会う幸せ」
休日、遅めのランチ。キイトスカフェで本を読みながら過ごすこの時間はまさに至福のひととき。この店にくると、たくさんの本に出会える。座席にも、背後の本棚にも、床に置かれた籠にも、読んでみたかった本がある。店内が静かなのもいい。若い夫婦が一言もしゃべらずに思い思いの本に没頭する姿は、なんとも好ましい。もう、本好きにはたまらない空間だ。

「号泣できる場所」
先日、ここで出会った本を読んで号泣してしまった。花嫁衣装をあつらえてくれた母との思い出を綴ったエッセイだった。自分が結婚した時のことや、お腹にいる赤ちゃんのこと、数々の思い出がこんなにも鮮明によみがえる場所は他にない。とりとめもなく溢れてくる感情を、陽当たりのいい窓際の席は、いつも黙って受けいれてくれる。