かぐらむら

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今月の特集自由、気ままな過ごし方

“神楽坂好み”の時間

路地・小路

◆た

photo路地に似合う風景がある。ひっそり歩みを運ぶ靴の音や、下駄の音、カサカサと迷いこんだ木の葉が風とともに駆けてゆく音。“あら、こんばんわ”など声がかわされて忙しそうに足音が消えてゆく風情。掃除をしている人の姿は見えないけれど、いつもきれいになっていて雨の日だって足元がぬかるむ訳じゃなく、石ダタミに水が吸い込まれてゆく。「こんなところに」渋い骨董屋さんが路地の奥にあったり、小路の角に趣味の良い店がある。

神楽坂の路地は無言のまま過ぎ去った深い時を伝えてくる。二人だけの話も、ひとり遠まわりするのも路地。入り込んだ途端、音が遮へいされて忘れていたあの頃、あの時を思い出すのも路地の力といえる。神楽坂好みのおしゃれな路地がこの街のポケットパークに思える。