かぐらむら

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今月の特集夏は祭りで元気がでるぞ

まつりの舞台裏を聞く

七夕祈願祭

短冊に願いを…都心育ちのホタルが舞う

photo 暑さ厳しい季節を健やかに過ごせるように、東京大神宮では5年前より無病息災と心願成就を祈願する七夕祈願祭が行われている。

 恋ひ恋ひて逢う夜は 今宵天の川霧立ち渡り明けずもあらなん 『古今集』秋上・よみ人しらず

 東京大神宮では3年前に都心でも夏の風物詩、ホタルを楽しんでもらおうと、拝殿横に「せせらぎ」を作った。せせらぎとは、生物の生態系に基づいて作られた水辺のこと。ホタルが一生を通して快適に過ごせるように、きれいな水にするための濾過装置を設置したり、水はけの良い、やわらかい土を用いるなどして環境を整えた。また、水中にはホタルのエサとなるカワニナ(巻貝)が生息し、水辺には植物やコケが生えてほぼ自然に近い環境の中でホタルが飼育されている。ホタルの幼虫はおよそ10カ月間水の中で育ち、陸へ上がって土の中でさなぎになる。ホタルは卵から約1年かけてようやく成虫になる。しかも幼虫から成虫になる確立は約3%(成虫した蛍の寿命は1週間くらい)!

photo  長期間、ホタルの飛翔を楽しんでもらうために、5月中旬から飛び始めるゲンジボタルと6月下旬から飛び始めるヘイケボタル(ゲンジボタルより小ぶり)を飼育している。だが1年目は、苦労してせっかく育てた蛍が明るい街灯の方へ飛んでいってしまったとか。翌年からせせらぎの周囲に網を張りめぐらし、境内を暗くして境内で光を放ってくれるよう努めている。

photo さて蛍は求愛行動のために光るため、古くから燃ゆる恋の思いにたとえて歌に詠まれることも多い。

もの思へば沢の蛍も わが身より あくがれ出づる魂かとぞ見る  和泉式部

ホタルはとてもデリケートな生き物で、わずかな気象の変化により、飛んだり飛ばなかったりするが、もしかしたらホタルを見ながら短冊に願いを託せるかも。夏の夜はせせらぎの涼やかな水音に包まれて、ゆったりとしたひとときを過ごしてみよう。ほぅ、ほぅ、ほ〜たる来い……。


七夕祈願祭
【日時】2007年7月7日(土)19時〜
【場所・お問い合わせ】東京大神宮(03・3262・3566)