かぐらむら

Top > 平成30年の神楽坂[前篇] > (00)
今月の特集10年後の未来図を視てみたら……

平成30年の神楽坂[前篇]

夜店復活への道のり

高橋正樹[サラリーマン]

photoすっかり高層化が進んだ神楽坂界隈では、一方で、ますますテナント料も高くなってしまった。チェーン店ややたらに高級な店が増えてしまい、気軽に入れる味な店、が消えかけていた。そこで機転を利かした商店主の一人が、昔ながらの商品を屋台に載せて通り沿いで売り出した。それが大いにあたり、元商店主たちも次々と屋台へと参入。肉まん、せんべい、○○ちゃん焼き、豆腐、バナナはもちろん、蕎麦や寿司が追随。中には棒手振りとなって売り歩く者も出現。元喫茶店主も、昔使ったムクの木のテーブルを持ち出して、お茶屋として元の場所に復活。

食販に続いて、着物、草履、足袋、風鈴といった和物の屋台も奥ゆかしく並びだす。茶碗やぽち袋、はては原稿用紙、新旧取り混ぜた本まで売りだされ、ますますにぎやかに。寄席や映画まで、天幕でかこってはじめる始末。パチンコ屋が屋台化に乗り遅れ、地団駄を踏んでいた。
道路での販売というと当局がなかなかうるさいはずだが、そこは神社仏閣が全面協力。「実は道路は昔から神域だった」ということにしておいて、この動きを保護。仕方がないので交番も屋台にしてみた。ついでに制服も、岡っ引きスタイルにして、つい雰囲気を盛り上げてしまった。そうなると、次は夜への進出。フレンチ、イタリアン、各種エスニック、バー、ベルギービールといった屋台が軒を連ね、ますます人出が増えてくる。そうした屋台をあてこんで、ランプを売り込みだす者もいた。

かくして、多くの人が懐かしんでいた、神楽坂の夜店が復活したのである。