かぐらむら

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今月の特集10年後の未来図を視てみたら……

平成30年の神楽坂[前篇]

黒塀タワーマンション

栗田香子[OL]

photo引っ越すことにした。神楽坂の58階建のタワーマンションに。富士見にある今の部屋(1)は、友人が海外赴任の間貸してくれていたのだが、彼も帰ってくるし、家族仕様にオーダーした間取りは単身者の僕には持て余すところが多かった。最上層部の部屋は、住んでみると、このエリアの海抜自体が低いせいか、見た目ほどの高さを感じなかった。神楽坂の坂上にあるタワーマンションは、より高さを感じるに違いない。この界隈に限らず、随分とタワーマンションが増えた。都心には限られた面積しかない。都心を生活拠点とするという欲望を満たすには高層化しかない。

20年近く前、寺内の26階建マンション建設では随分騒ぎになったと聞く。そんな26階も、入居予定の部屋から見下ろせば随分と低いのだろう。かつて街には、高層化への法規制があったそうだが、改変も進行も為政者次第のようだ。大正の大震災にも耐えた地盤、高さを求めるとしたらこれほどの立地はそうそうない。大久保通りの拡幅(2)もなかなか進まなかったというが、予定されていた4車線が6車線化して実現とは、オリンピックの効力とはたいしたものだ。

photoそれにしても、この58階を始め、神楽坂にある多くのタワーマンションの壁面全てが黒いという現象は、街に今も点在している「黒塀」への配慮なのか。「壁面は黒に限る」という指定は、建設するにあたっての必須条件だったそうだが……。
(1)富士見のマンション……プラウドタワー千代田富士見38階建。平成21年2月竣工予定。
(2)大久保通り6車線……現在4車線として計画中。