かぐらむら

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今月の特集後編神楽坂の職人が発するクリエイティブの胎動

手仕事の現場から

帽子、それは影がつくる顔の立体表現

showroom galon[ショールーム・ガロン]

photo「帽子は、自分を隠す道具でありながら、自分という存在を象徴してしまう。誰でもない誰かであり、それ故に誰にでもなりうる誰か…」そんな思いを込めて(株)NOBODYと名付けられた。2003年パリで起業。創業者は、当時まだ27歳のデザイナー・ヨネダマキ。
ヨネダマキが帽子づくりに入ったきっかけは、偶然のようで必然とも言える。京都外語大学に在学中、単位交換のできるソルボンヌ大学へ留学。パリの長い夏休みに生きたフランス語を学ぼうと選んだのが帽子のアトリエだった。20件のアトリエへ紹介状を送り、やっと1件だけ採用された。そのアトリエでオーナーに、帽子づくりの才能を認められた。帰国し、卒業後2000年に再び渡仏。それからのヨネダマキは、猛烈なスピードで動き始める。01年からパリにてコレクションを発表、2シーズン目には作品『夜の木』がパリ市立モード美術館で開催された「mode a suivre2」に入選。日本人として唯一の受賞者に。そして、03年にプルミエールクラスと年間契約を結び、ブランドライン「YONEDAMAKI」を立ち上げて、パリで起業した。偶然のようで必然というのは、彼女の祖父は、帽子メーカーとして有名な「米田製帽」の創業者であったことだ。通訳家や翻訳家を目指してたものの、帽子づくりのDNAがじっとしていなかったのだろう。

06年には、拠点を東京に移し、昨年から若宮町にショールーム、新小川町に工房を構えた。工房では、帽子づくり歴40年を超える祖父の代からの職人・麻生喜則氏が、ヨネダマキを支えている。「帽子づくりは、最低3〜4年はやらないとだめ。雰囲気がだせるようになるには10年ぐらいかかる」とは麻生氏のお話。
ショールームには、デザイナー・ヨネダマキ自ら接客に立つことも多い。「作り手の視点をできるだけ伝え、世界観を共有したいから」というのが理由だ。今年の8月にはショールームのイベントスペースで、ジャンルを超えたコラボレーションを計画中。2008年で創業5周年を迎え「いい意味で自分を裏切りたい」と考えるヨネダマキの挑戦は、これからはじまる。

photoshowroom galon(株)NOBODY
【住所】東京都新宿区若宮町11
【電話】03-3266-0461
【URL】http://yonedamaki.com/