かぐらむら

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今月の特集後編神楽坂の職人が発するクリエイティブの胎動

手仕事の現場から

伝統を伝える、路地の寺子屋

染小路

photo友禅の語源は、諸説あるが、扇に優美で美しい絵を描いた画工たちが、求められて女性の着物に絵を描いたのが始まりといわれている。そのために優扇、遊仙、勇禅、など様々な扇の画号がそのまま染の画号にも使われていたと推察される。
多田昌子さんは、20代に友禅の美しさに魅せられ、それまでの職場を退職し押しかけ弟子状態で、高田馬場の工房で教示を受けた。師となった職人は、口数の少ない人だったが多田さんの熱意に動かされて、もてる技術をすべて教えてくれたという。それからは、様々な職人の中で自らの技を磨いてきた。
「着物の品格を、色と糸目だけで表現するむずかしさ」多田さんは、友禅についてこう実感している。

現在「染小路」には、20代から70代まで20人以上の生徒が、伝統の技を習いに通う。「自分のオリジナル友禅を染めたい」「プロになりたい」「着物文化を深く知りたい」など動機は様々だが、技術を学ぼうという気持ちは一緒である。なかには「加賀の研究所」に入るための私塾として捉えている人もいる。もともとは、教室を開くためではなく、自分の技を磨き、確かめる場所として神楽坂に工房を構えたのだが、今では寺子屋のようでもある。長い伝統の中で伝えられてきたものが、路地の寺子屋で次の世代に確かに伝えられている。

photo友禅工房 染小路
【住所】東京都新宿区神楽坂6-21-3
【電話】03-3266-8966
【URL】http://www.kaguramura.jp/shop/1065758161.html