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今月の特集好村兼一vs神田織音

「神楽坂の仇討ち」 を語る。

剣道がおもしろくなるのはある程度年をとってから

 

織音 フランスで剣道が根付くのに時間がかかりましたか? 日本人はもともとつらいことに耐えて稽古に励むという気質がありますが、向こうではいかがですか。

好村 それは、彼らにまったく無いです。(笑)それで私ははじめ困ったのです。たとえば、「はい、素振り千回やって」というと、一人二人と脱落していって、誰一人として続かない。日本とフランスとでは、もともと発想が全然ちがいますから、すぐに日本式は通用しないと感じました。手にマメをつくったり、汗をかいてふらふらになるとやめていってしまう。逆にインテリや頭でっかちの層は「武士道についてどう思うか?」と議論を持ちかけてくる。そこでは私も、少しは勉強をしないといけないと思いましたね。
フランスでは、黙ってこれだけの稽古をやっていればいいんだという鍛錬式の方法は通用しません。選手層は一生懸命やりますが、それ以外の層に関して指導方法は試行錯誤の繰り返しでしたね。いま神田さんは、剣道はどうされていますか?
織音 ずっとやっていません。

好村 それはもったいない。剣道がおもしろくなるのは、ある程度年をとってからです。
若い時は力とスピードで一本取りに行きますが、ずっと基本をやっていると、無理をしなくても自然と体が動くようになるんです。それからがおもしろいのです。ぜひ、また始められることをお勧めしますよ。
織音 ありがとうございます。講談の方も、機会がありましたら、ぜひお聞きになってください。