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今月の特集藝術座イベント報告

島村抱月と松井須磨子の藝術座百年

11月2日 第二部「藝術座がのこ遺したもの」

 

photo 11月2日には第二部「藝術座がのこ遺したもの」が催されました。岩町功会長の挨拶に続いての基調講演「抱月のベル・エポック」で、岩佐壮四郎さんは、藝術座結成にさかのぼること11年前の抱月のロンドン、ベルリン留学時代に焦点を当てました。当時その地で活躍していた女優たちは、思うさまわがままにふるまい、自らの身体を賭けて男性の強いる制度や倫理に抗っていました。須磨子はまさに彼女たちの血族の一員なのです。

次に朗読グループ「雁」が『人形の家』と『復活』を朗読しました。抱月作になるこれらの戯曲のエッセンスを抽出するテキストレジは岩町会長が担当しました。その朗読の迫真ぶりたるや、藝術座の舞台を垣間見ているような錯覚に陥るほどでした。
 第二部の締めくくりに「藝術座がのこ遺したもの」をテーマとしたシンポジウムが行われました。パネリストに岩町会長、岩佐壮四郎さん、須磨子研究家の石川利江さん、演劇研究家の中本信幸副会長を迎え、司会は木村が務めました。藝術座は劇団員に十分生活できるだけのギャラを払っていて、現代にあっても様々な劇団が抱えている問題を抱月は既に解決していたことが指摘されました。また、世間に流布している須磨子像は、男尊女卑の視点から作り上げられた虚像なのではないかという意見が出る一方で、抱月の令嬢がたから直接伺った須磨子出現後の抱月の家庭の激変の様子についての生々しい話しも紹介されました。

photo 最後に、中本副会長が、今回のイベントはこれが終着点なのでなく、あくまでも藝術座顕彰活動の「始まり」であり、今後も当委員会はこの顕彰活動を活発に続けて行くという決意を表明して、幕となりました。
(※本原稿は、「週刊読書人」11月22日号をにも掲載されています)